「中国進出への期待に応えるビジョンと実績」


(株)ビジネスガイド社 専務取締役 必极耐斯(上海)会展有限公司 董事長兼総経理 芳賀信享●一昨年、中国で第3回上海国際ギフト展日本館を開催しようと考えたのはなぜですか。


日本では、リーマンショック、円高、金利安、デフレ経済などが続いて、とどめのように東日本大震災が起きました。日本経済はずっと悪い状態が続いています。そういう中で、国内市場に向けて販路を拡大するのもいいし、近隣の友好関係にある中国と貿易をすることも、このような時期、中小企業の生き残りにおいては、必要ではないかという考えがあります。
もう一つは、日本の伝統的な職人の技術や文化、芸能を、日中の友好の中で広めていきたいということです。
ギフトということを通じて、国際交流を図りながらビジネスの商機をつかんでいこうと考えているわけです。

●文化という側面も大きな要素としているわけですね。

日本のギフトの歴史は中国でも当てはまると思います。北京オリンピックや万博があったり、新幹線やリニアモーターカーが通ったりして、ちょうど日本の高度経済成長時代とよく似ていて、国内市場は拡大しています。
その中で、日本企業が今までOEMの生産基地として考えていた中国が、内需を拡大する、消費をする市場として変わってきたというところに注目しているわけです。
中国と日本の高度経済成長が似ているということと、ギフトの文化に関しても、フォーマル的なギフトであるとか、慣例的なギフトが似ているということがあります。ですから、それを見ていけば中国の半歩先が分かるわけです。我々も40年間、ギフト関係の展示会と出版をやってきていますけど、すでに先のプログラムも分かるわけです。

●日本でギフト・ショーがこれだけ大きく成長したわけだから、中国においても今後、大きくなる可能性があるということですね。

そうです。未来がわかる。だから今着実にやっていくということです。

●OEMの生産基地から、消費をする市場として中国の市場は非常に有望であるということですか。

そうですね。まず、端的な例をあげると、上海だけでも戸籍人口は1800万人で実際の人口は2500万人いる都市です。それから北京も1600万人の戸籍人口が実際は2000万人。重慶は戸籍だけでも3000万人。要するに、大都市化が進んでいます。外資系企業も進出してきているし、商業施設もたくさんありますし、内需も拡大されてきている。ある意味では、日本より豊かな市場となってきているわけです。

●その中国に昨年2月5日現地法人事務所(必极耐斯(上海)会展有限公司)を設立したのは、現地に拠点を置きたいということですか。

現地法人の役割は、日本から中国へ進出する人たちに向けてのビジネスのサポートです。
中国でビジネスをやる時に、お世話をするということになると、領収書を発行したり、通関の手続きをしたり、場合によっては一部卸や小売をしなければならない場合もありますし、ネットを通じて紹介する場合もあります。そういう時に現地法人が必要です。中国は共産党一党支配ということもありますので規制が厳しくて、まず許可をとらないと何もできない国です。そういった点で、卸・小売だとか、展示会や会議を主催したり、貿易やお酒の取り扱いなど、各種免許を全部取得して出展社のお世話をしようと思ったから、現地法人を作ったということです。

●上海で一昨年、最初に第3回上海国際ギフト展日本館を開催して良かったと思った点はどのようなところですか。

 出展社の人が、中国に進出する窓口としてビジネスガイド社を選んでいただいているということと、安心と安全ということがあります。それと中国とのネットワークがあります。実績も、一昨年8月の第3回上海に25社50小間、去年が84社150小間で、今年の3月が70社130小間。今年の8月は、150社300小間ぐらいまで持って行きたいという目標です。
その間に、蘇州の国家旅行局と博覧会センターからの要請があって、国家旅行局による主催の第1回中国蘇州旅行アパレル&ギフト展が今年4月にあって、こちらも日本館を作ってやらせていただきました。52社58小間に出展いただいています。
第3回上海国際ギフト展日本館の様子
▲第3回上海国際ギフト展日本館の様子
 こういう形で中国での展示会に関して、いろんな形で進出された方たちのお手伝いをしてきて一応の成果を上げているということです。その実績があって、徐々に上海ギフト展は大きくなってきていますし、今年は3月、8月と年2回も開催することになります。
特に上海という第一級都市で商談をする時に、ビジネスガイド社は皆様のビジネスのサポートとして、また日本企業の日本オーガナイザーとして安心しておまかせいただいて大丈夫、という点が強調したいところです。


●様々な企業や団体が中国での展示会ビジネスに進出していますが、ビジネスガイド社は安心であるというところが一番ですね。

 そうですね。我々には単独で展示会のノウハウもあります。また、中国の政府機関にも協力いただいています。現状は上海マート(上海世貿商城)にオフィスを持っている関係から、上海マートとの友好関係が強くあります。上海マートも日本の企業を自社のテナントとして誘致したり、展示会にも参加してほしいということなどもあって、色々な意味で日本企業に関する優遇政策があります。我々もそれを利用させていただいて、一緒に展示会を大きくしていこうという目標のもとにやっています。

●出展社や来場者の感想や期待はいかがですか。

出展社は、自社の商品が中国で売れるか売れないかという判断がマーケティング的にあると思います。その反応はどうなのかということで調査していますが、非常に反応が良い企業が多いです。なぜかというと、日本製品は同じようなアクセサリーやインテリアなどでも半歩進んでいて、文化を感じるわけです。機能的にも実用性もあるし、遊び心もある。非常に耐久性もあるということで、日本製品はたいへん良いもの、というイメージを上海の人たちは持っています。
そもそも上海の人たちは、80年代、90年代、一人っ子政策で育った人たちが多いので、親からの支援もありますし、色々な意味で新しいもの、珍しいものに取り組んでいこうという意識が強くあります。もちろん、教育水準も高いです。今の40歳以下ぐらいの人たちは、それまでの50歳以上の人たちとはまるで違った教育水準となっています。日本語もできるし、日本の大学にも留学していたりして非常にレベルが高い若者が多いです。

●出展社の方たちは、ビジネスガイド社の様々なサービスや対応に期待しているのでしょうね。

もうすでに、日本から中国に進出している企業も一緒になって参加していただいているので、現状の中国はどうなのかということも、出展社同士の交流会やパーティを通して情報交換し、また同じ出展する中での横の連携も深まっています。上海マートを通じてバイヤーを呼んでもらうことも行っていますし、我々独自のバイヤーを呼ぶということもやっていますので、相乗効果で成果が上がってきています。
上海マートの特徴と言いますと、ビジネスマッチングという手段もあり、そこでは自分が希望する商談関連の企業を呼んでもらうことも可能です。これはけっこう成約率も高いですよ。

●今おっしゃった、レセプションパーティーや出展社向けセミナー、出展社対象のギフトビジネスマッチングなど、展示会以外に魅力的なイベントを開催しているところも評価されているのですね。

事前にどういうところが出るかということも招待状、ホームページやメールで中国の人に配信しています。会期中はそういうビジネスマッチングを通じてレセプションパーティや情報交換の機会も作っています。
事後に関しては、もっとマーケティングをしたいとか、実際に関税を払って通関をして販売をしたいという場合など、伊勢丹百貨店さんと提携して、現地の伊勢丹のイベント会場を使ってジャパンフェアを2週間やっています。

●今年3月の第5回上海展の後で、中国・上海市内の伊勢丹百貨店で3月18日〜31日までイベントを開催したわけですが、かなり評判が良かったということですか。

そうですね。一般消費者に向けてのテスト販売ということですが、我々も伊勢丹百貨店での催事で成功してほしいわけです。それで我々も動員に協力させていただいています。だから成功しているのだと思います。

●次回もまた伊勢丹さんでやられる予定ですか。
中国・上海市内の伊勢丹百貨店でのイベントの様子
▲中国・上海市内の伊勢丹百貨店でのイベントの様子
 はい。伊勢丹さんも中国各地に百貨店を作っていますし、今は伊勢丹さんからのリクエストがありますので、伊勢丹さんでのマーケティングを強力にやっていきたいと考えています。

●今年夏の第6回上海展(8月4日〜7日)についての期待はいかがですか。

一昨年、昨年、今年とやってきて、上海展は3年目に当たるわけです。認知度も高まってきているので、今年の夏はよりパワーアップを図っていきたいと考えています。
パワーアップをして、蓄積をしてもっと大きい会場を、上海マートと共にやっていく方向性を考えています。
実は、上海マートでは来年3月、上海万博館というのを、上海万博の跡地に開設します。万博のアフリカ館を補強し直して、展示会場として使用し直すわけです。その権利を契約したということです。全体が2万1000平方メートルです。そこを使うことができます。展示会としては非常に良い形でできると思います。
昨年までの万博の勢いもあるので、万博会場で上海マートとビジネスガイド社が第7回上海国際ギフト展日本館の展示会をやるというのは大きなニュースになると思います。

●先ほど専務からのお話にもありましたが、今年は3月の上海展だけではなく、4月に蘇州展も開催されました。その蘇州では、芳賀専務ご自身、表彰されていますが、どのような経緯で、どのような内容の賞なのでしょうか。

今回の第1回中国蘇州旅行アパレル&ギフト展に関して色々と貢献していただいたということです。これは中国国家旅行局と江蘇省人民政府の主催でした。その運営事務局に入っていたものですから、そこでの活動が評価されたということだと思います。

●蘇州も今後期待される展示会として、ますます力を入れて行かれるということですね。
 私も4年ぐらい前から上海に行ったり来たりしているのですが、上海が街として急速に伸びたということは、万博もあったかもしれませんが、交通のインフラが整ってきたということがあります。上海浦東国際空港から道路が全部整備されてまっすぐに通れるような高速道路ができたということで、物流が非常によくなってきました。それと同時に地下鉄が1号から10号まで伸びてきまして、その地下鉄が世界で一番長い地下鉄の都市になっているくらいです。また、リニアモーターカーも走っています。ですから、人の流れが今までの車だけの社会から、徐々に地下鉄を使って、人が周辺から四方に動けるようになってきた。その前までは船だったのです。船が移動の手段でした。
 買い物をするにしてもテリトリーが決まっていました。それが地下鉄を使ってどこにでも行けるようになりました。
その上海から新幹線を使うと24分で蘇州まで行ってしまいます。41元ですから、約600円も払えば蘇州まで新幹線で行けてしまうわけです。
蘇州はもともと江蘇省の中では大きな街です。蘇州は、先に述べた上海の交通網が整うちょっと前の段階なのです。
蘇州は、新幹線も通ったし、色々な商業施設や工場などたくさんあります。街の人口は650万人いて、県外からの流入人口を入れると、約1000万人いるわけです。ですから、その人たちが放射状に伸びる地下鉄で近隣に広がる商業施設を利用していくわけです。地下鉄網ができた時に初めて街の商業施設が本格的に稼働していくと思います。地下鉄網は現在作っている最中です。最終的には来年の暮れぐらいまでに全線開通ということになります。
1号ができた後に4号まで作りますので、作り始めたら早いと思います。
新幹線は南京まで走っています。南京は江蘇省の首都ですし、昔の中国の都です。その南京にもつながっています。また今年の7月には北京まで約1000キロ延びて走ります。新幹線の経済効果は高いです。
 
●そういう意味では、蘇州での展示会も今後本当に期待されますね。

そうですね。なぜ、期待されるかというと、上海は確かに巨大で大きい都市ですが、蘇州は第二都市として注目できるのではないかなと思います。
併せて展示会が期待される理由は、蘇州には大きい展示会場があるのです。7万平方メートルぐらいある展示会場です。現状ですと、上海の浦東(プートン)にある展示会場が10万平方メートルぐらいです。それに次ぐのが蘇州にある蘇州博覧会センターです。この前、第1回中国蘇州旅行アパレル&ギフト展を開催したのはその展示会場です。まさに、今後が期待される理由でもあります。
あと強調したいのは、実績的な部分です。上海は一昨年、昨年、今年も3月にやって、蘇州も4月にやって、日本の製品を中国に上陸させるための実績をしっかり積んできているわけです。それから伊勢丹百貨店の催事も今年3月にやりまして良い成績を上げてきています。
そろそろしっかりした実績も出てきているので、我々の活動をもっとよく知って欲しい。みなさんにお知らせしたいということです。今年の夏の上海展は150社300小間まで集める形で営業活動をしています。これからはもうワンステージ上に上がる展示会を目指していきたいと考えています。

●今年の11月には北京で輸入食品展を開催することになっていますが、これについての経緯と抱負はいかがですか。
 上海で色々な展示会をやるという考えもありますが、日本の食品を中国の人たちに食べていただくとか、日本の食を流通させるためにはどうすれば良いか。北京には商標を登録する場所もありますし、北京に国の中枢が集まっているわけですから、そこから全国に商品を流すというルートが最も適切ではないかと判断したわけです。
我々が一緒にやろうとしている中糧集団は中国最大の商社で、伊藤忠商事とか、三菱商事、三井物産、などいずれもその中糧集団を通じて流しています。百貨店やスーパー、ホテルも経営していますが、その中糧集団と一緒に、食品の輸入食品展をやっていきたいと考えています。
儲けを考えるということよりも、一歩一歩、日本の食を中国に広める努力をしていきたいと思っています。


●先ほどおっしゃっていた文化に関して、日本の食文化も中国に伝えていきたいという意識もあるのでしょうね。


そうですね。日本の食は色々な種類があります。ギフトを通じての食の文化性を伝えていくことが、中国との交易の中では役立ってくることではないかと思います。
販路として、北京を通じて中国全土に流していくことが必要なのではないかと思います。

●北京で開くということの意味にはそういった裏付けがあるということですね。

我々がきっかけを作ったので、これをうまく利用して、中国全土に食品を流すようなルートが確保できればいいかな、と思っています。

●今回、東日本大震災がありましたが、これは中国進出に何らかの影響があるでしょうか。

基本的にはないです。蘇州の展示会でも震災への義援金をご来場のお客様にいただきました。東日本大震災に対しては中国の人たちも温かい気持ちを持っています。また、日本から上陸したものに関しては、日本製品が良いものだと思っていますので、消費する志向にあるということです。震災で輸入が止まっている部分も徐々に解除されています。食品に関しても8月以降段々良くなっていくと考えています。

●お話を聞いていると、どの話もみな裏付けがあるという印象を持ちました。そのしっかりとした裏付けの上に実績があるのだなという印象です。

中国のビジネスは、一緒にやろうという友人が何人いるかだと思います。友だちとか仲間、そういったものがお互いに協力しあっていかないと、中国でのビジネスはうまくいかないと思います。
我々が非常に恵まれていることには、日本でギフト・ショーが成功していることから、一緒にやってくれる人も出てきています。そういう人たちと一緒にやろうと考えていまして、それがうまくいっているということです。

●将来的に、中国でどのような活動を行っていこうとしているのでしょうか。その夢と希望について教えてください。

 中国でトップの展示会のオーガナイザーになりたいわけです。どこよりも大きくて、どこよりも商談の成果が上がる展示会を中国で作りたいというのが目標です。
まだ、小さいですが、日本からの企業を成功させるという意味では、いまのところみな成功しています。規模は小さくても我々にまかせていただければ、中国進出に関しての突破口としては良い成果が上がると考えています。
ぜひとも、ビジネスガイド社を御社の中国進出のためにお役立ていただければ幸いです。

 


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